わたしは海斗くんとともに死ぬ、それも悪くはないと思う。

なにもできないとわかったら、受け入れるしかない。

そのときわたしは、はじめてのあの事故の真相を伝えられるのかもしれない。

もちろん、そんな最後は望んではいない。

わたしは海斗くんを救う。簡単なほうに逃げてはいけない。

「わたしの気持ちが強ければ、きっと向こうの意識をこちらに向けることができると思う」

「そっか。前向きなのは悪くないよ。いまの莉子にはその方が合ってるよね」

そう、いまのわたしには生きる目的が必要。

じゃないといつ倒れてもおかしくないから。

「それで、隕石のことについて、いつ向こうに伝えるかは決めてるの?」

「なるべく余裕を持った方がいいかなとは思ってる。もし政府のシェルターが交通機関もまともにないような辺鄙なところにあったら、移動だけでも一日はかかるかもしれないし」