「まあ、家族と最後のときを一緒に過ごすってのも悪くはないよね。どうせその先はないんだから、恋愛にこだわってもしょうがないか」

「マコは自己申告すれば、いいじゃない。能力者ってことがわかれば、助かる可能性があるんだよ」

「言ったでしょ。いまのところはなにも見えてないって。もしこれから何かの未来予知ができたら、そのときには考えておくけど、この国が焼け野原になったら、どのみち生きてはいけないかもしれない」

そんなことはないと思う。

だってマコはすでに知っている。

隕石が落ちてくることを。

わたしのことを信じて、それを政府に伝えれば、予言は完了してしまう。

そう考えると、こうしてマコに会いに来たのはまずかったのかもしれないとも思う。