以前のマコがここにもいるかもしれない、そう考えるとわたしはなんだか嬉しくなった。

「わたしはすべて覚えているから、他の人も似たような状態でも不思議じゃないのかもしれない」

「莉子と接触のある人だけかもしれないね。ここが莉子の世界なら、莉子と関わった人は、その莉子の経験から何かしらの影響を受けてるのかもしれない。人は見られてこそ存在するとも言うしね」

わたし中心の世界。

そう考えると、なんだか不思議。

だって、主人公のわたしは死ぬことが決まっている。

そして助けようとしているのは彼氏の方。

わたしが死んだら、この世界はどうなるんだろう。

消えたりしないよね。

きっと海斗へと中心がうつって、また別の物語が続いていく、そうに決まっている。