サッカーと野球の結果はしっかりと覚えている。

別のものに変換したものを頭に刻み込んでいる。これをまず一段階目の予言としないといけない。

忘れないように携帯に数字を打つと、わたしは立ち上がった。

なんとか、歩くことはできそう。

ずっと寝たきりならもうどうしようもなかったけど、どうにか日常生活を送ることはできそうだった。

「莉子、気持ちを強く持って。次の失敗は決して許されないんだから」

わたしは自分の頬を手で打つようにした。

これからは一日一日、ううん、一時間でも貴重なものとなる。

少しでも気を抜けば、時間はあっという間に過ぎてしまう。

ミスは、許されない。

窓を開けて、太陽の光を顔に浴びる。

気持ちいい、という感覚はまだある。

わたしのなかに人らしさが残っているなら、きっとこの最後の戦いは乗り越えられるはず。

「頑張れ、莉子!」

わたしは雲ひとつない空に向かって、自分を奮い立たせるようにそう叫んだ。