感慨、みたいなものはとくになかった。

もしかするとこれは体調の問題かもしれない。

ベッドから立ち上がったとき、わたしは強烈なめまいを感じた。

その場に座り込んでしまい、しばらく立ち上がることができなかった。

心臓から流れるべきはずの血液が止まったかのように、手足が冷たかった。

思考力が落ちていて、極度の倦怠感に襲われた。

これまでに感じたことのない辛さだった。

生きているような感覚がなくて、なにをするのも面倒に感じた。

「もしかしたら」

最後なのかもしれない。今回が。

もう二度と、能力を使うことはできないのかもしれない。

つまり、次の死は本物。

これからのおよそ二週間が、わたしの人生の最後になる。

「今度こそ、海斗くんを救わなきゃ」