「でで、でも、ぼくからお金を搾り取ったら、どうせ警察に言うんでしょ」

「わたしを信じられない?」

「信じられるわけないじゃないか。こんな脅迫する相手を」

「わたしたちの立場は同じですよ。同じ犯罪者。わかりあえる部分はあると思いますが」

「……」

「あと5分以内に結論を出してください。わたしにお金を払うか、刑務所にいくか。あなたに残された選択肢はこのふたつのみです」

そう言ってわたしは携帯を手に持った。

「いつでも警察を呼ぶ準備はできています。さあ、どうするんですか?」

加々美さんの焦りは強くなっている。

顔に汗が浮かび、体が小刻みに動いている。

「あと3分ですよ。そろそろ決断しないと」