じゃあ、どうやって証明したのだろう。

わたしの力は、傍目にそうとわかるようなものじゃない。

たまたま道端で炎が手から現れて、それが監視カメラに映った、なんてことは起こらない。

わたしが能力者であることは、誰にも知られてはいない。

仮に知られていたとしても、そうだと他人に教えるのは困難なはず。

「そういや、能力者で思い出したけど、中学時代にやたらとそれに詳しいやつがいたよな。莉子の女友達で。いまあいつとはどうなってるんだ」

「あの子とは最近は全然……」

いや、いた。

わたしが能力者であることを知っている人が。

そう、ひとりだけ。