「ストーカー?わたしはそんな魅力的じゃないよ」

「そんなこと言ったら、おれの立場はどうなるんだよ」

海斗くんが顔をしかめて言った。

「ごめん、そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど」

「冗談だよ。そういう謙虚なところが莉子のいいところでもある。おれは莉子にずっとそのままでいてほしいよ」

わたしは謙虚なのかな。

ループのなかでの行動を思い返してみると、厚かましい感じもするけど。

それにしても、いったい誰なのだろう。国に密告したのは。

その誰かは、わたしが能力者であることを知っている。

官僚がわざわざ出向いてくるということは、その告発にそれなりの信憑性があったからに違いない。