政府が調査をするときは、基本的に相手には知られないように極秘に行うと聞いたことがある。

にもかかわらずこうして直接尋ねてくるのは、やっぱり隕石の落下が間近に迫っていることを知っているからだと思う。

あれこれ調べるような時間はもう、残ってはいないという自覚がある。

政府としては一人でも多くの能力者を確保したいに違いない。

破滅的な状態から再起するためには、能力者の数というのは非常に重要だから。

それでもう、なりふり構っていられなくなっているのかもしれない。

「すいません、わたしにはなんのことだか」

「この国には、一般人に紛れて、多くの能力者が生活しています。あなたのような人たちは決して珍しくはない。ですから、警戒する必要はないのです」

すでにわたしが能力者であるという決めつけをしている。