「一応さ、気を付けておいてくれよ。これってもしかしたら、予知夢みたいなものかもしれない。莉子がそういうことになるなんて信じたくはないけど、念には念を入れておいてほうがいいし」

「……うん」

「もしかしたら、おれも能力者かもしれないよな。それで莉子の不幸が先にわかるのかもしれない」

おれも?

まるでわたしが能力者であることを知っているかのような口ぶり。

これもループの蓄積の影響かな。

「ん?なんだ、あれ」

わたしの自宅に差し掛かったところで、海斗くんは再び足を止めた。

玄関前に、高級車らしい黒い車が止まっている。ちょうど運転席が開いて、ひとりの男性が降りてくる。

その人は玄関ではなく、わたしの方へと歩いてきた。