その関係者には、おそらく能力者も含まれるはずだった。

国を急速に建て直すには、その力が必要なはず。

でも、わたしがもし自分が能力者であると明かせば、国に身柄を確保され、その後の自由な行動は許されなくなる。

つまり、海斗くんを救うことはできないということ。

わたしだけが生き残り、海斗くんが死ぬ、そんなことは到底認めることはできなかった。

目覚めてすぐに朝日を浴びたわたしは、自分に言い聞かせた。

もうわたしの寿命は限られているけれど、決して最後までは諦めない。

他に海斗くんを救う方法が必ずあるはず。

洗面所で顔を洗ったとき、はじめてこの日をループしたときのことを思い出した。

妙な違和感を感じ、食事をしている間も心ここにあらずという状態だった。

すごく遠い昔のようにも感じる。