「……部活」

「ちょうど踏ん切りをつけるべきときなのかもしれない。どうせ、まともにはサッカーなんてやれないんだから、スパッと諦めたほうがいいのかもな」

「ダメ、だよ。海斗くんは、サッカーがすべて、なんでしょ」

「おまえに比べたら、大したことないよ。サッカーはプレーするだけがすべてじゃない。地元のチームを応援することだけでも十分に楽しめるんだ」

嘘、だよ。

だったら、どうしてサッカー部に入ってるの?

プレーすることに意味を感じてるからでしょ。

いつかこの目も治るかもしれない、そんな期待を抱いているからでしょ。

「おまえが元気になったら、またスタジアムに応援に行こうな。二人で大声で選手の背中を押すんだ。そうすればきっとチームも勝つからさ」

胸が痛かった。