近づけば近づくほどわたしの罪が露見するような気はしたけれど、でも、海斗くんの願いを否定することはできなかった。

わたしはたびたび思う。自分は本当に海斗くんを愛しているのかって。

その結論はいまも出ていない。

罪悪感が大きすぎて、心の奥底までたどり着くことができないから。

海斗くんのことは嫌いじゃない。

男子のなかで一番好きなのは間違いがない。

でも、恋愛と親しみには大きな隔たりがある。

まだ十代のいま、わたしにはその違いなんかも理解できるはずもない。

海斗くんもにたようなものかもしれない。

看病するわたしへのありがたみを、恋愛感情と誤解しているだけなのかもしれない。

それも、ひとつの形なのかもしれないとは思う。

すべてのことを純粋に愛することが、必ずしも正しいとは言えない。

なにかきっかけがあって、そこから本物の愛に近づいていくのかもしれない。このまま大人になり結婚すれば、わたしたちはむしろ幸せになれるのかもしれない。

大人になれれば、の話ではあるけれど。