中学生のとき、わたしは何度も死んだ。

自分の能力への自覚がなかったから、同じ事故に何度もあった。

学校から帰宅している最中、前方不注意の車にひかれることが、繰り返し起こった。

そのたびにわたしは一週間前へと戻ったのだけれど、すぐにそれが能力のおかげであるとは気づかなかった。

毎回嫌な夢を見たな、で完結してしまっていた。

だからはっきりとは記憶しようとはせずに、一週間後にはすっかりそのことをわすれてしまっていた。

これは夢ではない、と気づいたのは友達の助言があったからだった。

ーーそれって死帰りの能力なんじゃない?

わたしから事情を聞いた彼女はそう言って、具体的な症例を説明してくれた。

彼女の名前は会沢真琴。同じクラスの同級生だった。

マコは文学部に所属していて、将来は小説家を目指していた。