「莉子?」

情けなかった。

同じ失敗を繰り返してしまうなんて。

バカみたいに笑いたかったけど、それはできなかった。

包帯で固定されているのか、表情を自由に変えるのは難しかった。

「バラバラに吹き飛んでしまえ、そう、思っていたのに」

「無理にしゃべるなって言ってるだろ。大丈夫、目覚めさせすれば、医者の先生はなんとかなるって言ってるから」

「それじゃ、ダメ、なんだよ」

「わかるだろ、莉子。目を開けたってことは、お前に生きる意思があるってことだ。お前は生きようとしてるんだよ!」

そう、なのかな。わたしは生きたいの?

生きたとしても、できることなんてなにもないのに、それでも生に執着するの?

「頼む、諦めないでくれ。お前がいなかったら、おれも生きる意味をなくしてしまうんだ」

海斗くん、そんな悲しいこと言わないでよ。

わたしは、前向きに生きる海斗くんが好きなんだから。