わたしは段々とうんざりするようになっていた。

静かにしてほしい。

この空間を壊さないで欲しい。

だから「もう、うるさいよ、お願いだから黙ってよ」とその誰かに言おうとした。

でも、言えなかった。

思うように口が動かなかったから。

もっと正確に言うと、のどに何かが詰まっているような感じだった。

こうしているのには困らないのに、なぜか喉は塞がれていた。

声は続いている。

わたしが何かを言わなければ、この声はやみそうもなかったけど、しばらく我慢するしかなさそう。

きっと時間が経てば、諦めて黙るに違いないから、それを待つしかない。

それからどのくらいの時が経ったのか、その声は聞こえなくなった。

わたしはホッとした。

これで安心して眠ることができる。

眠る?

眠るのは、起きている人のすること。