それにしても、どうしていまさら、という思いもわたしにはあった。

猫が死んでもう十年近くが過ぎている。

なんの目的で優愛さんはわたしにこんなことをさせるのだろう?

猫が亡くなったのは確かにこの時期だったとは記憶している。

でも、これまで一緒にお墓参りもしたことがないのに。

疑問を抱いたままお墓を探しながら歩いていると、

「ちょうどあの辺じゃない?ほら、階段の近くに埋めたはずだから」

そんな指摘を受けると、ぱっと頭に思い浮かぶものがあった。

確かにそういった記憶がある。

え?でもいまのは?

急いでそちらを見ると、背後に立っていたのは。

「や、久しぶり」

こちらに手のひらを見せている女性はそう、優愛さんその人だった。