設定らしい設定なんてないので、深く追求されるとボロが出てしまうかもしれない。

ここはさっさと電話を切ったほうがいいかもしれない。

「いえ、わかりました。では今回のケースを試験としましょう。無事に成功したなら、あなたをわたしたちの組織へと迎い入れることを約束いたします」

「本当に?」

「わたしは嘘はつきません。ただし、あくまでも成功した場合に限られますが」

「わかった。必ずやりきって見せるよ。いつまでに爆発させればいいの?」

ウキウキした様子が伝わってくるような声音だった。

マンガのような世界に飛び込めると本気で信じている。

ある意味こんな純粋な人だから、爆弾作りにのめりこんでしまうのかもしれない。

「出来れば、今日の深夜にでも。可能でしょうか」

「うん、ストックはあるから、いまから準備しておくよ」

「それでは成功をいの」

わたしが切る前に、通話は途絶えた。