「なんのために、そんなことを」

「理由を聞いてはいけません。あなたは指示された通りに爆弾を爆発させればいいのてす。もちろん、誰も怪我などしないように夜中に行ってください」

「報酬は?」

「ありません。強いて言えば、あなたの安全が保たれることです。こちらから警察に圧力をかけて、一連の爆弾事件の犯人は追わないようも言っておきます」

こうも平然と嘘をつき続けられることに、わたしは恐怖を感じていた。

いくら大きな目的を達成するためとはいえ、なんだか自分がとても軽薄な人間に思えてくる。

「仲間にはなれないのかな?」

「え?」

「ぼくも君たちの仲間に入れて欲しいんだ。爆弾がもっと必要なら、いくらでも協力をするよ。仮にテロ組織であったとしても、全然構わないから」

「い、いまはそのような募集はしていないのですが」

予想していなかった展開。