「わたしたちはあなたの敵ではありません。あなたを警察に通報する気などないのです。ご理解いただけますか?」

「……」

「ですが、それもわたしたちへの態度で変わるかもしれません。協力をするかどうか、その判断によってあなたの運命はかわります」

「……」

「ですが、ご安心を。わたしたちはなにも特別なことを要求するつもりはありません。大金は必要としていませんし、誰かを殺すような命令を下すつもりもないのです」

「じゃあ、なにをすれば」

会話が成立している。

加々美さんはわたしが秘密組織のメンバーであることを信じているようだった。

やっぱり、公になっていない情報というのは強い。

警察ですら犯人が誰かなんて知らないわけだから、加々美さんの衝撃は大きかったはず。

これならうまく計画に乗せることができるかもしれない。