「いや、ちょっと、何を言ってるのかわかんないんだけど。ごめん、ぼく忙しいから」

このままで電話を切られてしまう。

ここはもっと、相手の逃げ場をふさがないと。

「わたしたちはあなたのことはすでに調査済みです。もし電話を切られるのでしたら、部下がそちらへとお邪魔することになりますが、よろしいですか」

わたしはその言葉に続いて、具体的な住所を口にした。

さすがに夜に見知らぬ訪問者が来ることは恐ろしいのか、電話は繋がったままだった。

「それが正しい判断です。まずはわたしの話に耳を傾けてください。よろしいですね」

「……」

「では、率直にお尋ねします。加々美さん、あなたは一連の爆弾事件の犯人ですね」

「っ」

息を飲むような音がこちらにまで伝わってきた。