あそこが犯人の部屋であることはわかっている。

爆弾もあそこにあるのかな?

さすがにそれはないかな。

きっと他のどこかに保管してるんだとは思うけど。

ここまで来ても、わたしは何かしらのヒントを得ることはできていなかった。

今回の人生はすでに諦めていて、次に繋がる何かを手に入れられれば良かったのだけれど、良いアイデアというものがまったく思い浮かばない。

「やっぱり、爆弾を使うという発想自体が間違いだったのかな」

方向性を変えないといけないのかもしれない。

爆弾には見切りをつけて、他のやり方で救う方法を考えなきゃ。

そのとき、マスコミの集団を掻き分けるようにして若い男性がアパートの敷地内に入り、外階段を上っていった。

向かったのは犯人の部屋。