「わたしはある組織に属しているエージェントです。それがどういうところなのか、詳しく説明することはできません。ただひとつ、お願いがあるだけです。それはわたしたち組織の計画に協力をしてほしいということです」

「いや、でも」

「怯えてますね。わたしたちはあなたことはすべて把握しています。ここで逃げても、自宅へとお邪魔するだけです。だからまずは落ち着いて話を聞いてください」

「その、ぼくは、ぼくは」

「あなたは優しい人です。誰かを傷つけるような趣味はない。そのような人に無理強いすることはしたくありません。わたしからのお願いはそのリュックに入った爆弾をこちらへと渡し、その扱い方を教えて欲しい、それだけなのです」

「ぼぼぼ、ぼくは、爆弾なんて全然しらないんだけど」

相手が否定するのも折り込みずみ。

爆弾魔なんて簡単に自分の行いを認めるわけがない。