でも、犯人がそれを受け入れるという保証はない。

どうしよう。

とりあえず話してみる?

どうせわたしがロッカーに隠れていることはばれるはず。

なら、こっちから姿を現したほうが得策かもしれない。

危険ではあるけど、わたしはこの犯人の動機を知っている。

テロリストなんかじゃなくて、単なる機械マニアの大学生。

軽い気持ちで爆弾を作ってみたらうまくいって、それから歯止めがきかなくなった。

誰かに危害を加えたいとかじゃなくて、あくまでも趣味の延長。

ここで爆発を起こしたのも、誰かに自分の技術を知ってもらいたいから。

もしも暴力的な人間だったら、誰かをすでに傷つけていたはず。

そうしなかったということは、話し合える余地があるのかもしれない。

いや、やっぱり話し合うじゃだめ。

それでは彼が言うことを聞いてくれない。

ここは圧力をかけないといけない場面。