「まあ、わたしも結婚するなら、海斗くんかなと思ってるよ」

「そうか、そうだよな」

「なんなら、今度実家に帰省するときに、海斗くんも連れていく?二人でご先祖様に挨拶でもしたらどう?」

「あはは」

わたしは苦笑するしかなかった。

両親があまりにも前のめりで、流れについていくことができなかった。

「帰省といえば、今年はどっちの実家に行く? やっぱり涼しいところのほうがいいか?」

両親の親はいまも健在で、でもそれぞれの実家はだいぶ離れている。

同じ時期に二つとも訪問するのは難しい。

「わたしはべつに、どっちでもいいけど」

どうせ夏休みなんてまともに迎えられない。

帰省先を選ぶことには意味がない。

それで運命が変わるわけじゃ……。

え、ちょっと待って。

わたしの頭にいま、パッとひらめくものがあった。