それでわたしたち二人の関係を取り持とうとしているんだ。

わたしの交遊関係はそんなに広くないから、海斗くんに原因を求めるのも当然かもしれない。

「海斗くんとはなんのトラブルもないよ。夏休みの予定がないのは海斗くんが優愛さんのところにお邪魔するかもしれないって言ってたから」

その答えを聞くと、両親の顔には安堵が浮かんだ。

「そうか。優愛ちゃんも勉強、頑張っているようだな」

「海斗くんとは毎日会ってるし、夏休みだから特別ってことにもならないと思う。どこか遠くに出掛けたいという気持ちもないし、優愛さんのところから帰ってきたとしても、その辺をブラブラするくらいかな」

「若いんだから、もっと冒険したらどうなの?」

お母さんの言う冒険がなんなのか、わたしにはよくわからなかった。

二人だけで泊まりがけの旅行でもしたら、ということかな。

さすがにそれはお父さんが怒るとは思うけど。