わたしは何もせずに数日を過ごした。

というより、やるべきことがなにも思い浮かばす、ただ時間が過ぎていくことに抗うことができなかっただけだけれど。

自分の無力さにもうんざりしてしまう。

同じ日の、同じ毎日。

わたしの感覚もどこか平凡な日常に犯されてしまったような気もした。

この日、わたしは夕食後にリビングで両親とテレビをぼんやりと眺めていた。

普段は食事が終わったら部屋にすぐに向かうのだけれど、今日は両親から一緒にテレビでも観ないかと誘われた。

きっと、わたしの様子がおかしいことに気づいたからだと思う。

無気力に過ごす娘を放っておくことはできなかった。

テレビではバラエティが放送されていた。

世界の大事件を扱った番組で、その結末をゲストが予想するというものだった。

「どうだ、莉子。犯人はわかるか?」

いまやっているのは海外の爆弾魔のケース。

複数の容疑者が画面に写し出されている。