その日の朝も、いつもと変わらなかった。
7月17日、月曜日。夏休みを控えた最後の週。
わたしーー芹沢莉子ーーはアラームが設定された7時ちょうどに目覚めた。
寝起きはよいほうで、二度寝なんかもほとんどしない。
わたしはすぐにベッドから抜け出すと、カーテンを開けて太陽の日差しを浴びた。
すでに夏本番という気温で、朝から蒸し暑さが充満していた。
今年の夏は厳しいと聞いていたけれど、予想以上に厳しいものになるのかもしれない。
部屋を出て洗面所に向かう。
冷たい水で顔を洗って鏡を見たとき、なにか妙な違和感を感じた。
わたしは自分の顔を見ながら、首を傾げた。
顔に傷があるとか、すごいクマができているとか、そんなおかしなところはないのに、どこか引っ掛かるところがあった。