――プロローグ――

高校2年の夏、あなたと出会った。

綺麗な瞳でこちらを見て清々しい程の笑顔で

話しかけくれて、清く静かで笑顔なあなたに恋をした――
でも、その恋は実るはずのない恋で――
僕が理解し難い恋だった――

――本文――
何も求められない方がいいんじゃないか、

期待されて苦しくて、生きづらい中――

どうせなら死んだほうがいいんじゃないかと

思い、屋上に行ったあの日から、あなたに救

われたことを僕は生涯忘れない。

泣きながら慰めながら僕の話を最後まで聞い

てくれたあなたにありがとうと伝えたい―――

――一章屋上――
あの日は風も雲も一つない綺麗で蒸し暑い日だった、僕はクラスの輪から逃げるように屋上に駆け込んだ。――

狭い教室に42人。教室の冷房が付いていても暑くて蒸し帰りそうになる。それに加えてクラスメイトの話し声や笑い声に耐えきれなくなったからだ。
教室を出て窓から陽が差し込む廊下を歩き、少しひんやりとした薄暗い階段を登ると、立ち入り禁止の屋上へ繋がる扉がある。鍵は壊れていていつでも出入りできる状態になっているのを知っている僕は逃げるように屋上に駆け込んだ。