「俺は何故明里さんのことばかり考えるんだ?」



景時には「妹のようだ」と言いました。
では妹のように思っているなら、何故俺は彼女を抱きしめた?



そう。
確かにあの時。
俺は、彼女を







愛しいと思った。



「あぁっダメだ!!気晴らしに気分転換しましよう!」



俺はそう思い池のある中庭へ向かった。



そこには、景時と明里さんがいた。



「っ……!?」



なんと、2人は口づけをしていました。
俺はそのまま、去ろうとしたのですが……。



――パキッ――



しまった。
気の枝を踏んでしまい、2人にばれてしまった。



「べ、弁慶さん!?」
「弁慶殿どうしたの?」



驚き動揺している明里さんに比べ、平然として聞いてくる景時。



「ちょっと考えごとしてたら煮詰まってしまったんで気分転換にこちらに来たんですが、すみません、邪魔したみたいで」



それだけ言うと俺は立ち去ろうとしたのですが、明里さんに引き止められた。
「ま、待って下さい!!」
「明里さん?」



明里さんは何故か、俺を必死に引き止めようとする。



「あ、あの!私と景時さんは何でもありませんから」



必死に言い訳をする彼女。
何故、わざわざ俺に、言い訳をするのかわかりませんけど、あまりにも必死になって言うので俺はわかったと答えると、明里さんは凄く安心したような顔をする。



そのあと、俺は九郎に呼ばれていたので、その場を去っていきました。



しかし不思議なことに胸のもやもやが消えていた。



「さっきまであんなにもやもやしていたのに、不思議なこともあるもんですね」



俺は1人苦笑しながら歩いていく。



それからしばらくして戦が再び始まった。
そんな時、景時がこんなことを言ってきた。



「ねぇ、明里ちゃん!今回は俺に同行しない?」



今回の特に景時が危険なのは景時自身わかっているはずなのに……。