「行こうぜ。あー、さっき飲み損ねたから喉乾いた」
「…………新田さん、ありがとうございます」
「いーから、別に。それより気晴らしに涼しいとこ行くか? カラオケとか」
「…………」
「ダメか、やっぱり泣くよな」
私が大粒の涙を流しながら鼻を啜っているのを見て、新田さんは苦笑いをする。
通りの真ん中から肩を抱かれ端に移動し、木陰のガードレールに寄りかからされる。
そして人目から隠すように、通り側に新田さんが立った。
「別れたの、後悔してる?」
「し、してないっ……」
「じゃあなんで泣いてんの?」
「……やっと終われたって思ったら、ホッとしたのとっ」
「うん」
「新田さんと、ヤってるって……勘違いされたのが、悔しくて」
「そんなに俺とヤるのが嫌かよ」
「そういうことじゃなくて……」
「……なに」
「新田さんを、馬鹿にされたみたいで嫌だった」
私の言葉に、新田さんの動きが止まる。