0時になっていた。
「帰ろうか。」
「はい。」

 駐車場でわけた。はずだった。
 アパートにつくと、市村くんがいた。
「どうしたの?」
「どうしても帰りたくなくて。れいかさんと一緒にいたくて。」
「あー、泊ってく?」
「はい。」
「れいかさん、本当にありがとうございます。」
「もう、いいって。」
 市村くんは元気がなかった。

 部屋に入った。
「りゅうきくん。」
 私から、ギューっと抱きしめた。