1カ月が経過した。

 職場では、付き合ってることは内緒にしていた。
 そのため、同僚は相変わらず、市村くんにベタベタしていた。

 私は、胸がモヤモヤしていた。
 でも、そんなことは言えないし、表情に出してはいけない。
 我慢していた。

「市村さん、一緒にランチしませんか?」
「いいよ。行こうか。」
 ムスっとしそうになった。

『あー、私嫉妬してる?ダメダメ。平常心。』

 気にしないようにして、ランチに行くために非常階段の前を歩いていた。
 すると、誰かに手を引っ張られ、非常階段の中に入った。