「落ち着いた?」



「うん、ごめん。」



「謝らなくていいんだよ。過呼吸なっちゃったみたいだね。こういう時は息を吐くことを意識するといいよ。」


私は冷静を取り戻して、「ありがとう。」とお礼を言い、ベンチに深く腰をかけた。


「彼氏として当然のことだよ。」


君は優しく微笑んで私の頭を撫でた。 


「ねーね、のーあ。おーいで? 大丈夫だよ。」


そうやって甘い言葉をかけられ、私は祐輔の胸に引き寄せられる。


「希愛は頑張った。頑張ったよ。これからは俺が支える。迷惑なんて考えなくていい。だから辛い時はいつでも頼って? これは俺からのお願い。」


「ありがとう。祐輔も私を頼ってほしい。ほんとにありがとう。」