よかった…

来てくれている。

俺から見た希愛は、今にも消えてしまいそうな姿勢で小さくうずくまって座っていた。

「おまたせ。なにがあったのか希愛が言える範囲でいいから、話せるかな?」

今すぐに全部聞きたいと思ったけど、全部を言うのは難しいかもしれない。

だから俺はこういう風に聞いた。

「うん、心配かけて、ごめんね。全部話すよ。あのね、実は…」


希愛の話はどれも信じられないくらい心痛なものばかりで耳を疑った。



小さい時からの暴力。



位置情報。



ラインの監視。



他にもいろんなエピソードを話してくれた。



「これが全てなの。負担かけて、迷惑かけてごめんなさい。」