なんで恋は複雑なんだろう。
恋は苦しいのかな。
大切な友達さえもライバルになるなんて……。
「山井」
「凌君っ」
凌!?
なんでっ。
あっ……。
朝陽に視線を移すと、目を逸らされた。
朝陽が凌を呼んだのか。
「ごめん。山井がこんなにも俺の事を思っていたなんて気づけなかった。告白された後も、曖昧な感じで接してたから、俺が悪い」
「凌君は謝らないでよっ」
「俺が好きなのは彼女の穂乃だから」
「そんなの知ってる!」
「だから穂乃とはこれからも友達でいてほしい」
凌、ありがとう。
「……でもぉ」
「だって、本当は穂乃とは縁切りたくないんでしょ?」
「……う、ん」
「梨加ちゃんっ」
私は梨加ちゃんの元へ駆け寄って抱きついた。
「っ梨加ちゃん、ありがとうっ」
「っなんで私がお礼言われるの……」
「だって、私は梨加ちゃんが大好きだから」
「穂乃ちゃんっ。も〜!!このカップルやだ〜!」
えっ!?嫌われた……?
「でも好きだろ?」
「朝陽うるさい〜。……梨加、決めた!梨加をちゃんと見てくれて、王子様みたいな人を絶対に探す!」
「へ〜王子様ね」
朝陽!?そこで煽りはダメだと思う……。
「梨加は本気なの!馬鹿にしないでよね〜!」
やっぱり……。
「……梨加」
「なによ〜」
「俺はどう?」
「「えっ!?」」
朝陽の発言にみんなが驚いた。
「な、な、何言ってるの〜!私と朝陽は幼なじみでしょっ」
梨加ちゃんのこんな焦りは初めて見た。
「でも、梨加のことを1番理解してるのは俺だけど?」
「そ、そんなの知らないっ!!」
梨加ちゃんは走ってどこかに行ってしまった。