「なんでいつまでも篠宮が我慢しないといけないんだよ。良くないんだよそんなの」
「朝陽……。ありがとう、でも私はもう大丈夫だよ」
「それは大丈夫じゃない。俺は、篠宮が変わった時の事をよく覚えている。もう、自分を偽って欲しくないんだよ」
あの時から、今も心配されている。
どうしたら、朝陽に心配をかけさせないで、悲しんだ顔を笑顔にできるのかな。
「なーんだ。朝陽は知らないんだね〜」
「なにがだよ……」
梨加ちゃん、もしかして……。
「ぜーーーーんぶ、梨加のせいだよ〜!」
「……は?」
「穂乃ちゃんが変わったのは、梨加が仕組んだせいだもん!」
「お前、冗談言ってんじゃねぇよ」
「梨加が今更そんな嘘つくと思う〜?」
「……っ」
梨加ちゃんが朝陽に言うとは思わなかった。
朝陽は黙り込んでしまった。
だめだ。こんなのダメだよ。
言わなきゃ、私がっ。
「……じゃあなんで、梨加ちゃんはいつも私を助けてくれるの?」
「はぁ?梨加、助けてないけど」
自覚してないのかな。
それとも、知らないふりをしてるだけ?
「どん底に落ちた私を見たいんだたら、困ってる私を助けてくれないよね?」
「だから、助けてなんてっ」
「私の推測だけど、今は罪悪感しかないんじゃないのかな」
「……何言ってるの」
「あの時は小学生、分からないことだって多い。でも、私がいつまでも引きずってるから、自分を悪者にして私から嫌われようとしてる。……違う?」
「……っ、私はっ本当に凌君が好きなのっ!こんなに好きになった人は初めてだからっ!!嫌われ覚悟なんて最初からできてるよ!!」