透真くんのお通夜や葬儀には出席できなかったが、出席した星絆から話を聞いた。

 すると、遺影の透真くんはクシャって笑っていたよ、と泣きながら話してくれた。

 透真くんが夢見病だったことは誰にも言っていなかったし、知っていた私も星絆には言わなかった。

 唯一、透真くんの彼女になったことだけを伝えると、すぐに抱きついて、おめでとう、と言ってくれた。

 加えて、私より充実しているじゃん、と頬を膨らませた。


 このことは隠さずに言おうとあの日の屋上で決めていた。

 あれは夢の中での約束だったかもしれない。

 現実では彼女らしいことを何ひとつできていないし、2人以外は誰も知らない。

 だけど、付き合っていたという事実だけは隠すべきではないと思った。

 2人が生きた証だから。