「いつか遊びに行かない?」
重い手を動かしながら意味のない課題に手を付けていると、親友の藤木星絆が声をかけてくる。
茶と黒が丁度よい比率で調合された髪を一つに結っているのがよく似合っている。
加えて、目のくっきりとした二重に惹きつけられた。
これら全ては手が加えられておらず自然のままだ。
未だに星絆以上に美を持ちあわせている人に私は出会ったことが無い。
それは出身地を離れたことが無い私の独断と偏見による基準だけれど。
星絆と私は小学校時代からの親友で、当時は極度の人見知りだった私に唯一出来た友人だった。
それから中高と同じ学校に進学し、時間の経過とともに友情を深めていった。
「うん。ホームパーティーとかどう?」
「いいね。そうしよう」
私の意見に即賛成してくれた星絆に内心ホッとした。
「ホームルーム始めるぞ」
これから話が盛り上がるというタイミングで担任が教室に入ってきて、その声を聴くや否や生徒が自分の席に戻っていく。
私も急いで課題を片付けると、担任の話に耳を傾けた。