「おぉっ……!」 

 カルナさんはよほど楽しいのか、わたしの隣で終始楽しそうに笑っていた。

「ありがとうございました!」

 約二十分程の公演が終わると、観客たちの盛大な拍手が、サーカスいっぱいに響きわたった。

「楽しかったですね、姫」

「はい。……なんだか子供の頃のことを、思い出しました」

 子供の頃見たサーカス団の楽しそうな演技を見て、懐かしい気持ちにもなった。

「子供の頃のこと?」

「はい。お母様とお父様と見たサーカスを思い出して、なんか懐かしくなりました」

 わたしがそう言うと、カルナさんは「そうですか。 僕もさっき、懐かしいなと思いました」と言ってくれた。

「カルナさんも、ですか?」

 わたしは再び、そう問いかける。

「はい。……僕の故郷は、ライナ王国という所なんです」

「ライナ王国……?」

 ライナ王国、聞いたことがある……。

「はい。 姫もご存知かもしれませんが、ライナ王国は昔から、レイリア王国とは仲が悪いんです」

 仲が悪い……。確か、レイリア王国とライナ王国は、昔から分断していると聞いたことがあるわ。