「吸血鬼……ね。いつか僕も,本当にみあを食べちゃうかもね」



ようやく終えたらしい白翔くんはまた私に近づいてくる。

-かぷ



「んっ,ひゃぁあ!?」



耳たぶに感じた痛み。

ぞぞって足元から知らない感覚。

勝手に出てくる涙。



「なに,するの」



耳たぶを噛まれたことなんてない。

寧ろあるわけないし,人間そんなことしない。



「どんな反応するのかなと思ったら止めらんなかった」

「そんなことする人いないよ!」

「? する人はするよ? 彼女が可愛かったら」

「え!? そうなの!?」



私が知らなかっただけ?

恋愛経験が白翔くんだけな私は知らなかった…

いつか白翔くんもそうだって聞いたことがあったのに,どうやって知ったんだろ。