白翔くんは私をまた抱き締める。

どうも,今回は私が頼んだけど,彼も私を抱き締めるのが好きらしく,最早癖になっている。

そんな白翔くんの首に私も手を回して,頬をすり寄せた。



「そーゆー可愛いことしちゃいけません」

「どうして?」


その体勢のまま尋ねると,白翔くんも私の肩に顔をうずめる。

-チッ

白翔くんだって……と口を開こうとして,私は驚きに短く声をあげた。

え…何? 今の…

首筋が,チクッと? チリッと? した。

経験のない痛み。

でも,痛みと言うほどでもないそれ。

直前の柔らかい感触を思い出して,まさかと頬を染める。



「白翔くん,今…キスした?」

「うん」



白翔くんはサラッとそう言うと,先ほど小さな痛みを感じた箇所に触れながらゆっくり離れていく。