「ふふっ春日井くん! だいすき」

「っそんな幸せそうな顔するのは反則……! ってか絶対僕の方が好きだから」



それで言ったら絶対私の方が勝つけど,そんなふうに言われるのはやっぱり嬉しい。



「ねぇ,いつもみたいにぎゅってして?」

「…いいよ。僕もしたいし。けど……」



私は春日井くんに両手を広げて,彼はふんわりと優しく抱き締めてくれる。



「僕ら16だよ? 付き合って半年だよ? ここ僕の家だよ? いくらなんでも無防備過ぎない?」

「うん? 春日井くんの家は春日井くんの匂いがするから好き。もしかしてたまには外にいきたいとか?」

「……全然違う。みあのバカ」



それに,と春日井くんは私を抱き締めたまま続ける。