『あの……呼び出してすみません。でもっ3分で終わらせるので…!』

『うん』



迷惑だと理解しながらも時間を貰ったあの日。



『好き……なんです』



始めての告白。

恥ずかしさで一杯の私の顔は,とても見ていられなかったことだろう。



『付き合って…くれませんか?』



絞り出したことば。

可能性はないと分かっていても,これを言わないのはずるいと思って……



『うん。いいよ?』



コテンッと首をかしげる彼は,とても可愛かった。



『って…い,いいんですか?』

『うん。いいよ? 今日から今川さんは僕の彼女ね。敬語もだめだからっ』

『わっ私の名前…!』

『うん。知ってるよ? 同じクラスだもんね』



自己紹介すらしていなかったことに気付くと同時に,春日井くんに認知されていたことに私は舞い上がった。

思えばあの時,春日井くんは付き合うとかそういう事に興味があっただけかもしれない。

だけど,それから少しずつ私を好きになってくれて。



『みあ』



名前で呼んで。



『大好き』



そう言葉にして,ふんわりと抱き締めてくれるようになった。