「…ん」



目が覚めると,そこには天井。

手元の柔らかい感触に目を向けると,みあの上着がかかっていた。



「おはよう。白翔くんっ」



起き上がると,可愛い彼女がキッチンからにゅっと顔を出す。



「上着,みあ? ごめんね。テレビ見てたら寝ちゃってた?」

「ソファーで寝てたら寒いかなと思って。それに,大丈夫だよ。私のとなりは安心して眠れる場所なんだって嬉しかったから」



そんな優しさに甘えてはいけないと思いながらも,みあのその考え方がうれしい。



「うん。みあ,本当に大好きだよ」



そう言うと,やっぱり恥ずかしそうに喜ぶから,ついいつも言ってあげたくなる。



「さっきね,白翔くんが寝てる時,リンゴ買ってきたの。今剥いてるから一緒に食べよう? あと,一瞬だけ戸締まりのために鍵借りちゃった」