「好きです!!」


言えたという達成感と、言ってしまった後悔が同時に押し寄せる。

反応を見るのが怖くて下を見ると、スカートを握りしめた手が見えた。

(スカートにシワついちゃうな……)

一周回って冷静になった頭で現実逃避してしまう自分が何だかおかしくて、つい笑いそうになってしまう。

「有馬、顔上げてよ」

意を決して、ゆっくり顔を上げる。

困ったように頬をかく森崎くんの姿が見えた途端、なけなしの冷静さすらとんでいくのを感じた。

「あ、ごめんね森崎くん!突然、迷惑だったよね。クラス変わっちゃうかもしれないから、どうしても今日伝えたくて!」

焦りからか早口になりながら、言い訳を重ねる。

無意識に後退していた足が後ろの机に当たった音に驚いて、大きく肩を揺らしてしまった。

「いや、嬉しいよありがとう。けど、ごめんね」


「有馬と付き合う意味を感じないんだ」