どうしてこうなったんだろうーー。


両手でカバンの持ち手を握りしめながら、隣を盗み見る。


「なんだよ」


バレないように横目で見ていたつもりなのに、振り返られて思わず肩がはねた。


「え、なんでもないよ!」

「じゃあちらちらこっち見てくんのやめろよ。気になるから」

「.......ごめん」


前を向き直したはいいけど、気まずさは変わらない。

もう何度目になるかわからない疑問を抱えながら、小さくため息をついた。