ホイッスルの音、指示の声、靴の滑る音に、床に強く打ちつけられるボールの音。

見事オセロのメンバーから外れてしまった私は、放課後の体育館にバスケメンバーとして集められていた。

とは言ってもパス回しをできるほどのスキルもない私は、一人だけシャトルランをしている気分を味わっている。

すでに一時間近く練習しているけど、そのうちボールを触れたのは数分でしかないだろう。

「はーい今日はここまでにしよ!明日また放課後練習ねー」

バスケ部女子の気合が入った声に返事をしながら、体育館端に座り込む。

妙に引き攣れるふくらはぎの感覚に、明日の筋肉痛を覚悟した。

本番までに慣れられたらいいんだけど、悪化する一方だったらどうしよう。

こんなところで座り込むより、早く帰ってお風呂でゆっくりした方がいいとはわかってるけど、中々立つ決心がつかない。

もうちょっと、もうちょっとだけとダラダラ先延ばしをしているうちに、気がつけば皆いなくなっていた。

さすがにもう帰らなきゃ。