そうして爽との関係が始まり今に至る。

「もうすぐ優が戻ってくるから」
その数分後戻ってきた優に
「こいつの事頼むな」と言い倉庫から出て行った。

...これもいつも通り。
「帰るか?」「うん。」

こうして優に送ってもらうのは何度目だろう。
初めこそ1人で帰れるよと断っていたが
断る度に爽に「黙って送ってもらえ」と
少し強めの口調で言われるので
今では何も言わずに送ってもらっている。

「毎回ごめんねー、ありがとう」
「いや、ほんとそれなー。
優男の俺にもっと感謝しろよー」なんて
めんどくさい顔ひとつせずにいつも送ってくれる。

少しして真剣な顔で
「お前は本当にこのままでいいのか?」
この質問も何度目だろう。
「私は今のままで十分幸せなんですー!
あぁー、ほんと爽のこと好きすぎて困るー」
とふざけた返事するのも何度目だろう。

優はその度に納得のいかない顔をしているが
「お前がいいなら、それでいいんだけど。
なんかあったら俺に言えよ。」「うん、ありがとう」
それ以上は深くは聞いてこないし、
私にはそれがありがたかった。

本当は私だって今のままでいいのか?と思う。
私が一方的に好きだと言っているだけで
実際爽のはどう思っているのかわからないし、
それを聞くと「重い」と
言われてしまうのではないか、
離れて行ってしまうのではないか、と
好きだからこそ臆病になってしまう。

優に送ってもらって家に着き、
爽に「家に着いたよ」とメールをする。
爽からは「了解。」といつも通りの
素っ気ない返信が来た。
「もっと一緒にいたかったなー」と思う気持ちを抑え
また金曜日が来るのを待った。