遡ること約1年前。
1年半付き合った彼氏に
「重い、お前の気持ちにもう応えられない」と
振られて落ち込んでいた私を見かねて
友達に誘われたクラブで爽と出会った。
ほとんど一目惚れに近かったと思う。
スラッとした細身だが華奢な訳ではなく
程よく筋肉のついていそうな体付き、
少し明るめで前髪を上げ、セットされた髪。

一目見て「あ、この人だ」とそう感じた。

のは、私だけではなかったみたいで
爽の周りにはいつも女の子がいた。
それに対して楽しそうに笑顔を浮かべ
受け答えしている爽を遠くから
見ているだけの日々が続いていた。

クラブに何度か通い
「今日こそは私も話しかけよう」と
思っていた時に優に
「お姉さんたまに見かけて気になってたんだー。
今日は俺と一緒に遊ぼうよ。」と声をかけられた。
イケメンとまではいかないものの
整った顔に人懐っこい笑顔をした優は
話上手でとても話しやすく
なんとなく気が合って連絡先を交換して
クラブに行く度によく話すようになっていた。

何度か話してるうちに爽と幼馴染だと
言うことがわかった。
優曰く「ただの腐れ縁だけどな」らしいが
小学校からずっと一緒となれば
私からすると立派な幼馴染だ。

そんな事もあって私が爽のことが
気になっていると相談するとすぐに
爽との仲を取り持ってくれ、
連絡先を交換できた時は本当に嬉しくて
優にありがとうと心の底から感謝した。

それからクラブに行くと3人で話したり
するようになったが、なぜか私だけには
素っ気ない態度で接してくる爽。
「他の女の子たちといる時は楽しそうだけど
私といてもつまらないのかな、、」と
思ったりもしたが優に聞くと
「俺といる時いつもこんな感じだから
別に気にする事ないんじゃん?」と言われて
「それならいいか。」と気にしないようにした。

そして優の提案でクラブではなく
3人で飲みに行くことになった。
クラブ以外で会える事が嬉しくて、
少し緊張もありいつもよりも飲みすぎて
しまった私は2人に抱えられながら
店を後にすることになってしまった。

眠たい眠たいと言う私。
2人に抱えられながら連れて行かれたのが
通りの少し裏にある倉庫だった。
はじめは優が水をくれたりして介抱していたが
「明日用事があるから爽あとはよろしくな」と
帰ってしまった。

爽と2人きりになり、酔っていた事もあって
「私、爽のことが好きなんだー。」と
今まで貯めていた気持ちを伝えてしまった。
言ってしまった、と思った瞬間、
「じゃあ俺がなにしても大丈夫なんだな」と
言われ強引にベットに連れていかれた。

そこからはハッキリと覚えていないが
ゆっくり優しく触られていた気がする。

朝、目を覚ますと隣で爽がタバコに火を
付けようとしていた。
「...おはよう」と声をかける。
「はよ。身体大丈夫か?」と言われ、
昨夜のことを思い出し顔が赤くなった。
「なんて顔してんだよ、
まあ、また来週ここに来いよ。」